怒りの故、どう

6thアンコールの興奮冷めやらぬなか、デレステ運営から驚きの一報が舞い込みプロデューサーを阿鼻叫喚の渦に叩き込んでいる。

 

 

以前から新アイドル残り4人がデレステ先行実装になるのでは、と予想してはいたのだが、まさかの同時楽曲実装(つまり同時にボイスも実装されるということ。インストならばともかく)を手土産に登場したのだから読めなかった。いや攻めますねぇ。

以前の記事でも書いたことだが、シンデレラガールズではその特性上多くの「ボイス未実装アイドル」が存在する。声がつかない、ということはアニメ・楽曲・そしてライブ等での出番が事実上無いと言っても過言ではなく、作品展開上大きなハンデになることは想像に難くないだろう。先の新アイドル実装発表時にも「既存アイドルを優先するのが筋ではないか」と声が上がったことは記憶に新しい。

実際、客観的に見ても既存のボイス未実装アイドルが逆境に立たされている感は否めない。以前話題になった高峯のあの騒動がそうした扱いに対する不満が噴出しかけた例だ。新アイドルへのボイス追加は不誠実とまではいかないまでも、「運営は既存未実装組を軽んじている」と受け取られてもおかしくない行為だと思う。

こうした展開へ異を唱えるのは最もだろう。だが、怒り狂った一部のオタクが既に行うキャラヘイトに近い振る舞いには首を傾げざるを得ない。彼らの大部分は声優が発表されると「アイマスの世界へようこそ!声優さんに罪は無いから(震え声)」みたいな歓迎ムードになるので、その二重思考ぶりにも考えさせられる。

声優に罪がない、というのは道理だ。しかしその理屈でいけば新アイドルとて攻められる咎は無いだろう。今回オタクが怒る原動力自体はキャラクター自身の過失ではない唐突な展開によって惹起されたものだからだ(これを『私は新キャラによるイベント紹介文だけを読んで怒っている』というのは無理がある)。次に矛先が向かうのは「そんなバクチ判断をした運営」だと推測されるが、結果として追加アイドルと声優にも多少はケチがつく訳だ。彼ら及び新たに担当Pとなる人々は、界隈を騒がせた迷惑料として不合理に降りかかった悪評に後ろめたい思いを抱かなければならないのだろうか?文句を言うなという訳ではないが、真に声優に罪がないと考えているならばある程度怒りをコントロールすることも求められるだろう。

そもそもオタクは本当に怒っているのだろうか?オタクに限らないことだが、どうも最近責められるべき振る舞いを行った人間を見つけるや否や、ヴァンダル族よろしく大挙して押し寄せ攻撃する文化がネットを中心に広がりつつあるよう思える。彼らの多くは義憤に駆られた上での行動だと承知しているが、「そのあと」にまで思案を巡らせることも時には必要だろう。(私が言えたことではないですが)

 今回の騒動はシンデレラガールズというコンテンツそのものが内包する不平等性が表面化したものだと思います。これは全員にボイス実装&ソロ2曲同時リリースぐらいすれば解消されるだろうけど、期待値はSIRENの続編が発表される可能性と同じぐらい低いでしょう。膨らみ続ける火種に今頃運営も頭を抱えているんかなぁ。いやどうにかしろよ運営!同じ路線を続けていけば今度は火薬庫に火が付くぞ!という感じです。